最近、「ガソリン価格が高くなった」と感じている人は多いのではないでしょうか? 実際、新型コロナウイルスが流行し始めた2020年にガソリン価格が急落して以降、上昇傾向が続いています。2023年9月には、レギュラーガソリンの平均価格が15年ぶりに過去最高値を更新しました。
そもそも、ガソリン価格はなぜ上がったり下がったりするのでしょう? また、ガソリン価格が上がるか下がるかを事前に知る手がかりはないのでしょうか?こうした疑問に答えるには、ガソリンと関わりの深い「原油」や「石油」などの言葉の違い、ガソリンの製造方法、原料となる原油の価格決定のしくみを理解することが大切です。
Liquefied Petroleum Gasの略称で、液化石油ガスのこと。プロパンやブタンが主成分の気体燃料。ガスコンロや給湯器のほか、タクシーや火力発電所の燃料として使われている。
自動車の燃料を中心に、農業機械用の燃料や、油脂汚れ用の溶剤としても使用される。揮発性が高く引火しやすいため、灯油などと混同されないようオレンジ色に着色されている。
熱分解することで、エチレンやプロピレン、ベンゼンなどに分けられ、プラスチックや合成繊維といった化学由来製品の原材料として使われる。
ジェット燃料
航空機のジェットエンジンに使用される。人命に関わるため、燃焼性の良さや不純物の少なさなど、規格が厳格に定められている。
主に石油ストーブなどの暖房用燃料や、給湯、風呂炊きなどに使われる。引火点が常温よりも高いため、石油製品の中では比較的扱いやすい。
バスやトラック、ダンプカーなど、ディーゼルエンジンを搭載した大型車両の燃料として主に使用される。ガソリンに比べ、燃費性能が優れている。
粘り気のある重い液体。火力の強さが特徴で、工場機械やビル暖房、船舶用燃料、火力発電など、大きなエネルギーが必要な用途で使われることが多い。
重油から精製してつくられる製品
アスファルトや、エンジン・機械に使用される潤滑油、肥料や薬品の原料となる硫黄などが該当する。
日本は使用する原油のほぼすべてを、中東を中心に海外から輸入しています。油田から採れた原油はタンカーで日本まで運搬され、「製油所」で石油製品がつくられます。
石油製品の製造は、製油所にある高さ約50メートルの蒸留塔という設備で行われます。まず、約350度に熱した原油を蒸気にして蒸留塔に吹き込みます。沸点の低い成分から蒸発する特徴を利用することで、ガソリンや灯油、軽油など、成分の異なる複数の石油製品をつくり分けることができます。これは「精製」と呼ばれる工程です。
石油は精製されて様々に利用されます
需要と供給にかかわるこれらの要因を総合し、需要が高まると価格は上昇し、供給が多くなると原油価格は下がります。ただし、産油国から日本への輸送期間、為替レート、日本国内各地のマーケット状況等により、1ヶ月程度で段階的にガソリン価格に反映される傾向にあります。
このほか、輸送にかかるコストや税金など、国や地域の事情によって最終的なガソリン価格が決定し、私たちの元へ届けられます。しかし、これらの要素は頻繁に変わるものではないので、普段のガソリン価格の上がり下がりは原油価格に左右されているのが基本となります。
ガソリン価格を予測することはとても難しいことですが、普段のニュースからある程度読み解くことは可能です。たとえば、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻により、原油価格は一時的に高騰しました。1970年代に起きたオイルショックも、産油国である中東の情勢悪化がきっかけで、供給量が減少、もしくは減少が懸念されたことで、原油価格が大幅に上昇した結果です。現在、イスラエルを中心にパレスチナ問題に起因する不安定な情勢が続いており、原油価格はさらに上昇するかもしれません。
需要面に目を向ければ、米国、中国など、石油消費量の多い国々の経済動向は、需給バランスを左右するひとつの要因となるでしょう。
こうした具合に、国際情勢や経済に関するニュースは、ガソリン価格の上がり下がりの原因を知る手がかりとなることもあります。日頃目にするニュースが、実はガソリン価格に影響を与えるかもしれない。そう考えると、いつものニュースも見え方が変わるかもしれません。ぜひ、資源エネルギーを意識しながら、ニュースをチェックしてみてください。
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